京都には日本を代表する伝統文化が凝縮されています。そして数々の伝統工芸士が活躍されているんです。このすばらしい日本の伝統技術を人々に楽しんでいただけたらうれしいとの思いがあります。
京都の中にすばらしい宝物がいっぱい、伝統技術がいっぱいありますので、それをみなさんの生活の中に夢のように生かしていただきたいとそう思いました。日本に長く伝わる伝統工芸は、その品質の高さや細やかな技術などが新たな価値として世界に注目されています。
つまみ細工

つまみ細工は江戸時代より伝わる日本伝統工芸のひとつです。成人式や七五三など晴れの日を彩る工芸としてご存じの方も多いのではないでしょうか。小さな正方形の布を丸つまみや剣つまみという技法で、様々な花や生き物をつくることができます。
眼病平癒祈願所柳谷観音にあるつまみ細工で作られた花手水まもり「縁満」は、紫陽花は小さな萼が集まって一つになっているので大人気です。一人ひとりは違っても仲良く一つであってほしいとの願いを込めています。
西陣織

京都の伝統工芸〝西陣織〟は有名です。フォーマルな装いにはもちろん、空間を彩るインテリアとして飾っても、とっておきの存在感を放ってくれます。西陣の名門『盡政(じんせい)』は手織りにこだわる機屋の1つです。
2024年9月開業のホテル「ヒルトン京都」は京都の伝統工芸品である織物を基調とした装飾で落ち着きを感じます。観光の拠点として交通アクセスが便利です。鴨川や東山の風景が望めます。ルーフトップバーが絶景です。
漆塗り

漆は、縄文時代から、日本人の生活に身近な存在でした。なんと九千年以上の歴史があり、黒や赤で塗られた器などを私たちの先祖はすでに使っていました。毎年、職人が漆の木から採取し、様々に彩色した漆を器に塗り、美しい飾りを施す技術を磨いてきたのです。
清蓮院では殿内陣床摺漆が美しく、気軽に触れることができます。庭とライトアップが綺麗で有名ですが、漆塗りの床も必見です。同じく入ってすぐの36歌仙の額絵もとても美しく京都の伝統や品格を感じられます。
まとめ
手仕事で一つひとつ作られる伝統工芸の魅力に触れ、知識を得るきっかけとなり、豊かな時を過ごす一助となれば幸いです。国指定の伝統的工芸品は織物、木工品・竹工品、陶磁器、漆器など業種別に区分されています。
毎日の生活をちょっと豊かにする伝統工芸品を楽しみましょう。日本の伝統工芸は、数百年にわたる歴史と技術の集大成です。その美しさと精緻さは、多くの人々を魅了し続けています。工芸品が、インテリアやファッションアイテムとして再解釈され、日常生活に新たな彩りを加えているんです。
執筆者:真岡 愛実(@manatabigram)