「ひらがなの練習になると、ついイライラしてしまう…」 子供にやさしく教えたいのに、思うように覚えてくれない、集中してくれない…そんな毎日の中で、自分を責めてしまっていませんか?
実はそのイライラには、親子双方に理由があることが多く、ちょっとした工夫で乗り越えることができます。
本記事では、
- 親がイライラしてしまう心理的な背景
- 今日からできる具体的な対処法
- イライラしてしまった時のリセット術
をわかりやすく解説しています。
子供と笑顔で学びを続けるためのヒントを、ぜひ見つけてください!
子供のひらがな練習にイライラ…その理由とは?

子供がやる気を見せない・集中しない理由
4〜5歳の子供は発達段階の途上にあり、手指の器用さや集中力はまだ発達途中です。文字に興味を持つ時期にも個人差があり、中には書くための準備が整っていない子もいます。
また、そもそも子供自身が「書きたい」と思っていなければ、どんなに親が頑張っても身につきません。
子供の「やりたい」気持ちが育っていないのに無理に教えようとすると、双方にストレスが溜まります。
親の「ちゃんと教えなきゃ」がプレッシャーに
「小学校入学までにひらがなを覚えさせないと」という焦りや、「私がきちんと教えなければ」という責任感が、親自身にプレッシャーをかけています。
この緊張感は子供にも伝わり、学習の場を楽しくない時間に変えてしまいます。
実は文部科学省の調査によると、年長(5歳)で自分の名前を書ける割合96%以上と高いものの、年中(4歳)では男の子77.4%、女の子94.1%と個人差が大きいことがわかっています。
3歳から5歳の読み書きに関する割合は以下の通りでした。
項目 | 年少児男子 | 年少児女子 | 年中児男子 | 年中児女子 | 年長児男子 | 年長児女子 |
---|---|---|---|---|---|---|
自分の名前を読める | 79.1% | 87.7% | 95.5% | 98.1% | 97.9% | 99.1% |
かな文字を読める | 58.4% | 70.0% | 81.5% | 89.7% | 92.1% | 97.7% |
自分の名前をひらがなで書ける | 31.8% | 59.6% | 77.4% | 94.1% | 96.5% | 98.8% |
数(1〜20まで)を正しく数えられる | 80.6% | 86.5% | 94.4% | 96.4% | 98.3% | 98.8% |
指などを使って足し算・引き算ができる | 27.8% | 41.7% | 63.8% | 73.4% | 82.3% | 88.8% |
自分のことを順序立てて話せる | 68.5% | 74.4% | 80.2% | 86.0% | 91.7% | 93.8% |
えんぴつを正しく持てる | 52.6% | 72.2% | 83.4% | 88.3% | 85.3% | 86.2% |
絵本や図鑑を1人で読める | 48.8% | 55.0% | 69.3% | 79.5% | 84.0% | 92.1% |
コチラはあくまでも目安なので、自分の子供がまだひらがなを書けないからと言って焦る必要はありません。
字が書けるようになるまでには個人に応じたステップがあります。
「いつか書けるようになる」くらいの気持ちでいて下さいね。
比べてしまう心理がイライラを加速させる
「同じ年齢の子はもう書けているのに」「お兄ちゃんの時はもっと早かった」など、他の子と比較する気持ちもイライラの原因になります。
でも、ひらがな習得には個人差があるのが当然。比較は子供の自信を奪うだけでなく、親のストレスも増大させます。
その子個人でしっかり成長していればOK!「ひらがなを書くことに挑戦しようとした」「先週より一つ字を覚えた」そんな成長にしっかり目を向けていきたいですね。
イライラせずにひらがなを教える親の工夫

子どもの興味を引く教材や遊びを活用する
ひらがな学習を「勉強」ではなく「遊び」として取り入れましょう。
例えば、
- 好きな果物や動物の名前から練習する
- 砂場や小麦粉の上に指で描く感覚遊び
- お風呂で壁に水で文字を書く
- 文字カードを使ったすごろくやカルタ
こうした活動は、子供が楽しみながら自然と文字に触れる機会を作ることができますよ。
短時間×毎日で無理なく習慣化する
子供の集中力は短いもの。5〜10分程度の短時間でも、毎日続けることで効果が出ます。
「今日はここまで」と決めて、子供が飽きる前に終わらせるのがコツです。
また、ひらがなの習得には段階があります。
- なぐり書き・お絵描き(基礎訓練)
- 線のなぞり書き(直線→曲線)
- ひらがなのなぞり書き
- 視写(お手本を見て書く)
- 自分で書く
今の子供がどの段階にいるかを見極め、一気に先に進もうとせず、着実にステップアップしていきましょう。
褒め方・声かけの工夫で前向きに学ばせる
「ここがまだ曲がっているね」などのダメ出しより、「この線がとてもまっすぐになったね」「昨日よりずいぶん上手になったね」など、具体的に褒めることが大切です。
また、練習中の声かけも工夫をしてみて下さい。
- 「違う」ではなく「ここはどうかな?」
- 「早く書いて」ではなく「丁寧に書けているね」
- 「もっと頑張って」ではなく「ここまでできたね、すごい!」
このように肯定的な声かけを心がけると、子供の意欲も高まります。
それでもイライラしてしまった時のリセット術

どんなに心がけていても、イライラしてしまう日もあるでしょう。
そんな時は・・・
- その場を離れて深呼吸する(「ちょっと休憩しよう」と伝える)
- 今日の練習はここまでと決める
- 自分を責めない(誰でもイライラすることはある)
何より大切なのは、ひらがな学習が子供にとって「嫌な思い出」にならないこと。
今日できなくても、明日ならできるかもしれません。成長には個人差があり、焦る必要はないのです。
「勉強は楽しい」「できるようになると嬉しい」という感覚を育てることこそ、未就学児に教えるべき最も大切なことではないでしょうか。
まとめ
子供のひらがな練習でイライラしてしまうのは、親子どちらにも原因があります。
子供の発達段階や個人差を理解し、「書きたい」気持ちを大切にしましょう。
短時間で楽しく、遊びの要素を取り入れた練習が効果的です。成功体験を積み重ね、具体的に褒めることで子供の自信と意欲を育てられます。
何より「学ぶことは楽しい」という感覚を育むことが大切です。焦らず子供のペースに合わせて、笑顔で続けられる工夫をしていきましょう。
(執筆:あい@SEOライター)