初めてのマイホーム。工事が始まってから戸惑うこと、いっぱいありますよね。誰もがマイホームで失敗したくない筈です。
このコラムは、400件以上の注文住宅の設計監理に携わった経験のある筆者が、住宅設計・工事において起こりやすいミス・注意するべきことと、その対策について解説します。
工事種別毎に、具体的に発生した(起こりうる)ミス・事故の原因と背景を解説するとともに、その解決策を簡潔にお伝えします。
今回は、あぁ!やってしまった!こうなる前に 「基礎工事編」です。
① 建物配置を間違えた!!
こちらは地盤改良工事と同じミスであり、あってはならないことですが、稀に起こるのも事実です。

施主の急な建物配置の変更が現場に伝わらなかったことが原因となるケースもあります。
直前の変更はミスの元。これは鉄則です。
そもそも、注文住宅を着工するには、前もって確認申請を提出し、確認済証を受けてから施工します。
確認申請には建物の配置寸法も記入します。
建物の配置変更には、計画変更申請(確認申請の変更)が必要となります。
対策としては、工事着手前に必ず立会を行い、敷地に対する建物の配置寸法、建物の基準となる高さ(ベンチマークといいます)は、必ずハウスメーカーと確認しましょう。
② 建物の高さ基準を間違えた!
こちらも工事着手前の立会で確認するべき内容です。
簡単に言うと、建物の立面図における高さが0となる基準(GL:グランドライン)の確認です。
一般的には、境界杭や道路のマンホールなどを高さの基準(BM:ベンチマーク)として、そこから
+10cmが立面図のGL(GL=BM+100)などとして建物高さの基準を決めます。
このGLによって、道路から土地の高さ、外構計画(階段、土留のブロック高さ等)が変わってきます。
外構費用や土地の水はけ等にも関わる、大事な着工前の確認事項です。
③ 水回りを着工後に変更したい! →厳しいです!!
基本的に、着工後の水回りの位置変更、追加は避けてください。
基礎のコンクリート打設を行う前に、配管ルートの穴をあらかじめ用意しておく必要があります。

基礎施工後の給排水工事のルート変更はかなりハードルが高いです。
こちらも、着工前に決定する必要があります。
④ 玄関ドアの商品・形状を変えたい! →厳しいです!!
玄関ドアは、基礎の立ち上がりの一部に開口を開け、納めます。
そのため、基礎工事前には商品や種類(片開き戸・親子戸等)を決めて置かなければなりません。
商品によって玄関ドアの幅も異なるります。

住宅メーカーから最終確認はあるかと思いますが、着手前に玄関ドアの仕様確定をしておくことが大切です。
口頭での約束はミスの元です。確実にメールや議事を残しておきましょう。
(執筆者:HK-HG 一級建築士・宅地建物取引士・行政書士・応急危険度判定士)