春から初夏にかけては生活リズムや気温の変化により、子どもの離乳食や幼児食に関する悩みが増えやすい時期です。
悩みへの正しい対処法がわからず、辛い日々が続いたり悩む時間が長引いてしまうのは避けたいでしょう。
この記事では、5月に多く見られる「子どもが食べない」原因や対処法、お弁当づくりのコツを紹介します。焦らず対応するためのヒントを把握し、お子さんとの食事時間を楽しく過ごしましょう。
5月に増えがちな2つの悩みとは?焦らず対応するためのヒント

5月は「急に食べなくなった」といったお悩みや、お弁当に関するお悩みが増えやすい時期です。
前もって解決策を知っていれば、焦らず落ち着いて対応できるでしょう。
ここからは、5月に子どもの食欲が落ちやすい理由を解説します。
急に食べる量が減って心配
5月は「昨日まではよく食べていたのに、今日は全然食べない」といった変化が起きやすくなります。
この時期は以下のような理由から、お子さん自身も気づかないうちに疲れをためてしまい、食欲に変化が表れる場合があるんですよね。
- 環境の変化
- 生活リズムの変化
- 季節の変わり目(気温差)
一時的な変化であるケースが多いので「なんとか食べさせなきゃ」と頑張りすぎるのではなく、温かく見守る姿勢が大切です。
参考:NHK「五月病とは?症状 治し方 対策を詳しく 医師に聞く注意すべきポイントは?」
何を入れる?お弁当用のおかずがわからない
春は、遠足などの行事や保育園・幼稚園でのお弁当の日が増える時期です。しかし、「どんなおかずを入れたらいい?」「完食してくれるかな」と心配な方も多いですよね。
特に離乳食・幼児食期のお子さんは、いつもと違う環境だと緊張したり食事に集中できなかったりして、普段よりも食欲が落ちる場合があります。
お家とは食事環境が違うことに配慮したうえで、メニュー選びを工夫しましょう。
子どもが急に食べない…5月に多い食欲低下への対策とは

5月に起きやすい「急に食べなくなった」「どんなお弁当を作ったら良い?」というお悩みに対する解決策を、それぞれ解説していきます。
急な変化にも落ち着いて対応できるよう、まずは子どもが急に食べなくなったときの対処法を把握しましょう。
無理に食べさせない
子どもは、前向きな気持ちで食べたものを好きに、後ろ向きな気持ちで食べたものを嫌いになりやすい傾向があります。
急にお子さんの食べる量が減ると「栄養が偏ってしまう」「なんとか食べさせなきゃ」と焦る気持ちになりますが、無理に食べさせようとすると食事自体が嫌になってしまうかもしれません。
ご飯の時間を前向きな気持ちで迎えられないと、さらに食欲が落ちたり嫌いな食べ物が増えるケースも考えられます。
「食べない=悪いこと」と思わずに「何を食べるか」「どのくらい食べるか」はお子さんのペースに任せましょう。無理強いせずに温かく見守る姿勢が、お子さんの食欲を高めることにつながります。
盛り付ける量を減らす
「たくさん食べてほしい」という気持ちは自然なものですが、お皿にたくさんの料理が乗っているとそれだけで圧倒されてしまい、食欲が落ちる原因になる場合があります。
お皿に盛り付ける量は、確実に食べ切れる量まで減らすのも選択肢の1つです。「完食できた!」という達成感は自信につながり、次の食事への前向きな気持ちを育むきっかけになります。
その後、まだ食べたいようであれば、おかわり分をお皿に盛ってあげると◎。少量から始めることで食事が進み、食べる量が増える場合もあります。
好きな食材で食べたい気持ちを引き出す

好きな食べ物ばかり食べていると栄養の偏りが心配になるかもしれません。
ですが、「何も食べないよりは良い」と前向きに捉え、好きなメニュー中心の献立で食べたい気持ちを刺激するのも効果的な場合があります。
もちろん、食べない食材を食卓に並べてはいけないというわけではありません。子どもは急に、新しいメニューを食べ始めることもあるため、たとえ食べなかったとしてもさまざまな食材と出会う機会を作ることは大切です。
ただ、せっかく食卓に並べても食べてもらえないと、大人側は精神的にダメージを受けてしまうこともありますよね…。
そんなときは、もし食べてくれなかったとしても精神的な負担を感じにくい、準備が手軽な食材を活用するのも良いですよ。
- 切っただけの野菜(果物、トマト、きゅうりなど)
- レンジで加熱した野菜(かぼちゃ、ブロッコリーなど)
- 味付け前に大人ご飯から取り分けたもの
無理なく続けやすいメニューから、取り入れていきましょう。
見た目をかわいくして楽しい食卓を演出する
食べ慣れた食材でも、見た目が変わるとワクワクした気持ちになり「ちょっと食べてみようかな」という気持ちにつながる場合があります。
- 彩りをよくする
- ピックを使う
- 野菜を型抜きしてかわいくする
ちょっとした工夫でも効果は大きいケースもあるため、お子さんが「かわいい」「食べてみたい」と思えるしかけを試してみましょう。
お手伝いで「食べたい」気持ちを引き出す

自分が調理に関わることで、食材に愛着がわいたりどんな味なのか気になったりして、食べたい気持ちが大きくなる場合があります。
習慣化のためには「楽しい」「おもしろかった」「またやりたい」と感じるような、ポジティブな体験が重要になります。
ただし子どもの集中力は長く続きにくいため、最初は材料を洗ったり盛り付けたりと、ほんの一部分の工程から始めるのがおすすめです。無理にやらせるのではなく、お子さんが楽しめること・できそうな範囲から始めてみましょう。
または、味見係に誘ってみるのもおすすめです。キッチンで出来立てを食べる特別感から、あまり好きでない食材でも口にしてくれることがあります。
子どものお弁当作りがラクになる!5月におすすめの工夫
5月はお弁当を作る機会が増えやすい時期ですが、子どものお弁当は小さくて作りにくいため、「どう作ればいい?」と迷う方も多いでしょう。
良いスタートを切り、お子さんにお弁当の時間を好きになってもらえるよう、子どものお弁当作りのコツを紹介します。
いつも食べている量より少なめから始める
お弁当は「完食できる量」を意識することが大切です。全部食べ切ると「完食できた!」という達成感生まれ自信となり、次回の食事意欲アップにもつながります。
前向きな気持ちでお弁当の時間を過ごせるようになれば、好き嫌いを克服する効果も期待できるでしょう。
家庭でしっかり食べるお子さんでも、園では遊び疲れや緊張で食欲が落ちる場合があります。また、お弁当の時間内に食べきれないケースもあるでしょう。
そのため、お弁当に入れる量は普段の7〜8割程度を目安に、少し少なめに入れるのがコツです。お弁当に慣れてきたら、少しずつ量を増やしていくと良いですよ。
ひと口で食べられるおかずを中心に
大きな食材や複雑な料理は、家庭以外の場所では食べにくく感じることがあります。
特にお弁当に慣れるまでは、以下のようなパクっとひと口で食べられる形状のおかずを中心にするのがおすすめです。
- 卵焼き
- からあげ
- ミートボール
- 小さめのおにぎり
- ひと口サイズの野菜(人参、さつまいも、ブロッコリーなど)
時間がある休日などを利用し、おうちで予行練習をしておくのも良いですよ。実際にお子さんが食べている姿を見ると、おかず選びや食事量のヒントになります。
まとめ|「食べない」とお弁当の悩みを前向きに乗り切るヒント
5月は、子どもの心と体にとっても「揺らぎの季節」です。急に食べる量や内容が変わると心配になりますが、それは成長の1ステップでもあります。
「食べることを強要しない」こと、そして「楽しんで食べる環境を整える」ことが大切です。
また、お弁当の時間を楽しく過ごせるよう、メニュー選びを工夫していくと良いですね。
完璧を求めすぎずに無理のない工夫を取り入れながら、お子さまと一緒に前向きな気持ちで食事時間を過ごしていきましょう。
(執筆者:渡辺ゆき)