【フローリング・建具・巾木・廻縁の色を変えすぎた!】あぁ!やってしまった! 注文住宅の事件簿<内装編>

I. 内装工事(床・壁・天井)
(写真:photo AC)

初めてのマイホーム。工事が始まってから戸惑うこと、いっぱいありますよね。誰もがマイホームで失敗したくない筈です。

 このコラムは、400件以上の注文住宅の設計監理に携わった経験のある筆者が、住宅設計・工事において起こりやすいミス・注意するべきことと、その対策について解説します。

工事種別毎に、具体的に発生した(起こりうる)ミス・事故の原因と背景を解説するとともに、その解決策を簡潔にお伝えします。

今回は「あぁ!やってしまった!」注文住宅の事件簿、こうなる前に 「内装工事編」です。

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フローリング・建具・巾木・廻縁の色を変えすぎた!!

出典:photoAC

これ、よくあります。インテリアコーディネーターの提案を取り入れていけば大きく失敗しないはずですが、建築主の考えだけで突っ走ってしまうと失敗することもあります。よくある失敗例です

・部屋ごとに内装材の色を変える

 書斎だけ、とか一部の部屋の内装色を変えるのであれば違和感がないと思いますが、部屋ごとに個性を出して内装色を変えてしまうと、境界の内装ドアが他の部屋と違和感がでます。特に濃い目の内装色を選んだ場合は要注意です。部屋ごとのコーディネートはクロスやカーテン、家具等で変化を出していきましょう。

・各パーツの色がバラバラ

 インテリアコーディネーターがお客様のニーズに答えられず、お客様の思い通りだけで進めてしまうと、フローリング、巾木、廻縁、窓枠、階段等がバラバラとなり、統一感のないインテリアになりかねません。

・現場で間違って施工するリスクが有る!

内装色を各部屋ごと、パーツごとにバラバラにするとこのリスクがあります。

私も何回も経験してきました。図面指示の間違い、度重なる変更による仕様書の変更漏れ等、工事監督からお客様が選んだ内装色と現場が違うと言われたときほど気が滅入ることはありません。

このトラブルを回避するためには、カラーパースで色を確認しておく。展開図で色分けを明確に指示し、現場で施工間違いのリスクを減らす。そして打合せでの度重なる変更・着工後に変更を行わないことです。

上手く装飾材をコーディネートするコツ

出典:photoAC

・廻縁(まわりぶち)は薄めの色に

 まず、廻縁(壁と天井の間の装飾材)は色を使い分けたい場合、薄めの色をおすすめします。濃い色は額縁のように天井を低く見せてしまい、色が強調されてしまいます。

・フローリングは好みでない限り白を避ける。

出典:photoAC

 白いフローリングは清潔感あり、きれいな印象を持ちます。その反面、汚れが目立ちやすく、髪の毛やゴミが落ちているのが目立ちやすいデメリットもあります。

 私の自宅もDIYにて和室を洋室化し、白いフローリングに張り替えましたが、間違いなく汚れは目立ちます。(掃除をする気が出るのである意味メリットかも知れませんが…)

・フローリングや建具だけ色を変え、他の装飾材を白に

 このパターンであれば、白系のクロスを用いれば巾木や廻縁、窓枠などの装飾は同化して目立たないため違和感ありません。

・シンプルですが、内装色は一色で統一が一番無難

 内装色で迷ったらこれが一番です。失敗しません。

(執筆者:HK-HG 一級建築士・宅地建物取引士・行政書士・応急危険度判定士)