ベランダ菜園・家庭菜園ってどうなの? 育てやすい野菜の選び方と長くつづけるコツ

O. 外構工事
(写真:photo AC)

「ベランダ菜園・家庭菜園を始めれば食費の節約になると思ったのに、意外とお金がかかる…」と思った経験はありませんか?

ベランダ菜園・家庭菜園はプランターや肥料などの出費が重なり、「節約にならない」と感じる人も少なくありません。せっかく始めた家庭菜園が続かず、出費とゴミが増えただけで終わってしまうのは悲しいですよね。

しかし、コツを押さえれば無理なく食費を抑え、旬の野菜をお家で味わえるお得な暮らしを楽しむことが可能です。

この記事では、節約にならないと感じる原因と、長く続けられる家庭菜園術を解説します。今日からできる小さな工夫で、「節約にならない家庭菜園」を「得する家庭菜園」に変えていきましょう。

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ベランダ菜園・家庭菜園が「節約にならない」と感じる理由

家庭菜園は「収穫の楽しさを味わえる」「新鮮な野菜を食べられる」「食費の削減につながる」といった魅力がありますが、実際に始めると「思ったよりお金がかかる」と感じることがあります。

ここでは、多くの人が節約できないと感じる主な原因4つについて見ていきましょう。

初期費用が意外とかかる

家庭菜園を始める際は、まず以下のような道具や資材を揃える必要があります。

・肥料・培養土
・苗(または種)
・スコップ
・ジョウロ
・プランター
・防虫ネット…など

ベランダ菜園でも、これらを一通りそろえると5,000〜1万円ほどかかることもあり、想像以上に出費がかさみます。そのため、「スーパーで買った方が安かったかも…」と感じる人も少なくありません。

ただし、プランターや道具類は一度購入すれば長く使えるから、次のシーズン以降は初期費用を抑えられるよ♪

ランニングコストが積み重なる

ベランダ菜園・家庭菜園にかかるのは、初期費用だけではありません。育て続けるためには、意外と消耗品や維持費がかかります

主なランニングコストは、次のとおりです。

・柱やひもなどの補修用品
・水道代(夏場は毎日の水やりで数百円〜)
・追肥や土の再生材などの補充費
・害虫対策スプレーや防虫ネットの買い替え

これらをシーズンごとに購入すると、年間で数千円〜1万円近くになることもあります。

思ったよりコストがかかるため、「節約のつもりがむしろ出費が増えた」と感じる人も少なくありません。

手間と時間がかかる

家庭菜園は、日々の世話が必要です。種まきや植え付けて終わりではなく、以下のような作業を継続して行う必要があります。

・毎日の水やり
・雑草の除去
・害虫のチェックと対策
・支柱の設置やひもの調整
・収穫後の片付けや次の準備

お世話を怠ると、せっかく育てた苗が枯れたり、害虫被害で収穫できなくなることもあります。

仕事や家事・子育てなどで忙しい方にとっては負担が大きく、「時間の割に実りが少ない」と感じてしまう原因になりがちです。

うまく育たず失敗することもある

家庭菜園では、天候や環境によって思うように育たないこともあります。

特に初心者さんは、次のような理由で失敗しやすい傾向があります。

・日当たりや風通しが悪い
・水やりや肥料の量が合っていない
・害虫や病気への対策が遅れる
・苗の品種が育てる環境に合っていない

時間と手間をかけても収穫が少ない場合もあるため、「結局お店で買った方が安かった」と感じてしまうケースも珍しくありません。

節約を実感できる家庭菜園の始め方

「節約にならない」と感じた経験があっても、少しのコツや工夫で家庭菜園はぐっとお得になります。

ここでは、コストを抑えながら長く続けるための実践的な5つのコツを紹介します。

本当に必要な道具を厳選して買う

家庭菜園を始めると、プランターだけでなく便利グッズを買い集めたくなるものです。しかし、使い切れない肥料や余った種などが増えると、無駄な出費となってしまいます。

節約のためには、まずは「本当に必要なもの」だけをリストアップし、最小限の道具で始めるのがおすすめです。

ペットボトルを鉢代わりに使ったり、家にあるスコップやボウルで代用したりすれば、初期費用を大きく抑えられるよ♪

慣れてきてから必要に応じて買い足すようにすれば、無駄なく家庭菜園をキープできるようになります。

資材を再利用する

家庭菜園のコストを抑えるには、身近なものを上手に再利用するのが効果的です。

たとえば、牛乳パックはプランター代わりに使えますし、卵パックは種まきトレーとしても使えます。

他にも、野菜を育て終わった後の古土は、ふるいにかけて再生材を混ぜれば繰り返し使うことも可能です。新しい土を毎回購入するよりも経済的で、ゴミの削減にもつながります。

「買う前に再利用できないか」を意識するだけで、家庭菜園のランニングコストはぐっと下げることが可能です。

コスパの高い野菜を選ぶ

せっかく家庭菜園をするなら、少ない手間でたくさん収穫できる“コスパの高い野菜”がおすすめです。代表的なのは、以下のような野菜。

・しそ
・ねぎ
・ピーマン
・ミニトマト

どれも長期間収穫でき、少量でも料理の彩りや風味を引き立ててくれます。

また、再生栽培(リボベジ)ができる豆苗や小ねぎなども、何度も収穫できて節約効果が高い野菜です。

栽培期間が短くて失敗しにくい品種を選べば、コスパよく家庭菜園を楽しめます

失敗しにくい品種から始める

家庭菜園を長く続けるコツは「育てやすい野菜」を選ぶことです。難しい品種に挑戦すると、手間ばかりかかって成果が出ず、やる気が続きません。

たとえば、以下のような野菜は、初心者の方でも育てやすくておすすめです。

ミニトマト
病気に強く、少ないスペースでもたくさん実る
リーフレタス
収穫までが早く、少しずつ長く楽しめる
しそ・ラディッシュ
手間が少なく、プランターでも簡単育つ

まずはこうした、成功しやすい野菜から始めるのが近道です。

小さな成功体験を積むことで、家庭菜園が「節約できる楽しい習慣」へと変わっていきます。

季節に合わせて育てる

野菜には、それぞれ生育に適した時期があります。気温や日照時間が合わない季節に育てると、発芽しにくかったり虫がつきやすくなったりして、無駄なコストにつながりがちです。

たとえば、季節ごとのおすすめ野菜は次のとおりです。

・春
ミニトマト、バジル、リーフレタス
・夏
オクラ、ピーマン、しそ
・秋〜冬

ほうれん草、小松菜、かぶ

季節に合わせて育てれば、肥料や防虫剤の使用量を減らせるうえ、失敗も少なくなります。

「旬の野菜=育てやすくお得な野菜」と覚えておくと、無理なく節約につながるよ♪

参考:みんなの農業広場「ピーマンの作り方(家庭菜園向け)」

ベランダ菜園・家庭菜園を節約につなげるための工夫と考え方

家庭菜園で十分な節約効果を感じるには、育て方だけでなく考え方の工夫も大切です。少し意識を変えるだけで出費が減り、暮らしにもゆとりが生まれます。

ここでは、家計に家庭菜園を無理なく取り入れながら長く続けるためのポイントを3つ紹介します。

家庭菜園の節約効果を「見える化」する仕組みを作る

家庭菜園の節約効果は、感覚ではなく「数字」で把握すると実感しやすくなります。

たとえば、1か月の食費のうち野菜代をメモし、収穫した分を差し引いて記録してみましょう。「先月より野菜代が500円浮いた」と具体的に分かるだけでも、やる気がぐっと上がります。

また、育てた野菜を使った「買わずに作れた献立」を記録するのもおすすめです。

成果を可視化すると、家庭菜園が単なる趣味ではなく「家計に貢献する習慣」へと変わっていきます。小さな数字の積み重ねが、続ける力と節約の実感を生み出す鍵になりますよ。

楽しみながら続ける工夫を取り入れる

家庭菜園を節約の手段として続けるには、「楽しみ」を見つける工夫が欠かせません

たとえば、「芽が出た!」「花が咲いた!」と変化を見つけるだけで、毎日のやる気が変わってきます。子どもと一緒に水やりをしたり、週末に家庭菜園ランチを作ってみたり…暮らしの中に家庭菜園がきっかけの小さなイベントを加えてみるのも良いでしょう。

また、水やりの失敗や害虫といったトラブルがあったとしても、次の改善に生かせば大きな学びになります。ペットボトルで水量を調整したり、酢スプレーで虫対策を試したり…そんな工夫の積み重ねが、節約スキルへとつながっていくのです。

家庭菜園の節約につながる情報共有とコミュニティ活用術

家庭菜園の節約効果を高めるには、仲間の知恵を取り入れるのも効果的です。

SNSや地域の園芸コミュニティでは、手作り肥料のレシピや害虫対策など、実践的な情報が数多く共有されています。同じ悩みを持つ人と交流することで失敗を防ぎ、必要な資材や苗だけを効率よくそろえられるようになるでしょう。

さらに、苗のシェアや収穫物の交換などを通じて出費を減らせる点も、大きな魅力であるといえます。

知識と経験をシェアすることで、家庭菜園は節約効果の高い「チーム戦」へと変わります。1人だと三日坊主になりがちな人も、仲間がいることで楽しく続けやすくなるでしょう。

家庭菜園は「節約にならない」とは限らない

家庭菜園は、最初こそお金や手間がかかりますが、工夫しながら続けることで確実に節約につながります。

特に始めたばかりの頃は「思ったより節約にならない」と感じるかもしれませんが、家庭菜園は成果が出るまでに少し時間がかかるものです。最初はうまくいかなくても、続けていく中でお世話のコツをつかみ、収穫量が増えてくると節約効果を実感できるようになるでしょう。

家庭菜園は、節約のためだけでなく「自分の手で暮らしを育てる楽しさ”を教えてくれる存在」です。小さな収穫の積み重ねが、家計だけでなく、心の豊かさにもつながっていきます。

まとめ|家庭菜園を節約しながら長く楽しむコツ

家庭菜園は、始めたばかりの頃こそ出費や手間がかかりますが、続けるうちに確実に節約効果を感じられるようになるものです。ほんの少し手をかけて工夫するだけで、台所やベランダが家計にやさしいお気に入りスポットに変わっていきます。

そして何より、自分で育てた野菜を味わう時間は、お金には代えられない貴重な経験です。

今日からあなたも、家庭菜園を始めてみませんか?最初は小さなプランター1つからでも大丈夫です。その一歩が、家計にも心にもやさしい暮らしへとつながります

(執筆者:渡辺 ゆき)