【離乳食完了期】なすを手づかみで食べてくれない理由と克服レシピ3選

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夏においしい旬野菜の1つが「なす」

低カロリーで水分を多く含むため「栄養がない」と思われがちですが、実は便秘解消に役立つ食物繊維や強い抗酸化作用を持つナスニンなど、体に嬉しい栄養素がたっぷり詰まっています

だからこそ子どもにも積極的に食べてほしい食材ですが、なすは「嫌いな野菜1位」に選ばれるほど苦手な子が多い野菜です。

今回はおいしく旬野菜を楽しめるよう、離乳食完了期に使えるなすを使ったレシピの中でも、特に知っていると助かる「手づかみレシピ」をご紹介します。

参考:カゴメ株式会社「カゴメ野菜定点調査2024」

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なぜ?離乳食完了期になすが苦手で手づかみしない子が多い理由

実は、なすが「嫌いな野菜ランキング」で上位に入るのには、子どもならではの理由があります。原因を知っていれば、苦手意識を軽くする調理のヒントが見えてくるでしょう。

ここからは、離乳食完了期の子どもがなすを手づかみで食べにくい理由を3つご紹介します。

黒っぽい皮の色が怖い

子どもの食欲に大きく影響するのが「見た目の色」です。

一般的に以下のような暖色系の色は、食欲を増進させると言われており、進んで食べてくれる傾向があります。

  • 黄色
  • オレンジ

一方で寒色系の色は、脳が本能的に「熟していない」「食べてはいけない」と判断するため、食欲が落ちやすくなるとされます。

なすは、紫~黒っぽい皮の色が特徴です。離乳食完了期の子どもが「なんとなく怖い」「食べていいのかわからない」と感じてしまい、食べない原因になる場合があります。

スポンジのような食感が嫌

なすは加熱すると繊維がやわらかくなり、トロッとした独特の食感になります。

この「ふにゃっとした食感」は、大人にとっては「おいしい」と感じる一方で、子どもにとっては経験の少ない食感のため、違和感や抵抗感につながることがあります。

特に離乳食完了期の子どもは、まだ食感のバリエーションに慣れておらず、「口に入れた瞬間にびっくりして飲み込めない」「どんな味かよりも、食感で拒否してしまう」というケースも珍しくありません。

アクが強く苦味やえぐ味を感じる

なすは、アクが強めの野菜です。調理の際にしっかりとアク抜きをしなかった場合、特有の苦味やえぐ味が口に残ってしまいます。

この「苦い」「渋い」といった味覚は、大人であればおいしさとして楽しめる場合もあるでしょう。

しかし、離乳食完了期の子どもにとっては初めての味です。強い苦味は「なんだか変な味」「おいしくない」という印象に直結しやすく、拒否の原因につながるケースがあります。

離乳食完了期になすをおいしく手づかみで食べる調理のコツ

離乳食完了期のお子さんがなすを嫌がるときは、主に色・食感・アクの3つの理由があることがわかりました。

しかしどの原因も、ちょっとした調理の工夫で解決することが可能です。

なすを「おいしい」と感じ手づかみでも食べやすくなるよう、調理の際に気を付けたいポイントを解説します。

皮はむいて使ってもOK

なすの皮には「ナスニン」が含まれています。強い抗酸化作用を持ち、健康維持に役立つ栄養なので、できれば食べた方が体に良いでしょう。

しかし「なすを食べられた」という経験が、なす克服の第一歩です。まずは皮をむいて抵抗感を軽減し、食べる機会を作っていきましょう。

全て皮をむいた状態のなすを食べ慣れてきたらしま模様にむくなどして、少しずつなすの皮の色に慣れるようサポートしていくと良いですね。

油を使って調理する

なすの食感が苦手なお子さんにおすすめなのが、油を使う方法です。

油を使って加熱すると、なすの繊維がやわらかくなりトロトロになるため、スポンジのような食感が気になりにくくなります。甘みが増すため、苦味やえぐ味を感じにくくなる点もメリットです。

油を使って炒めるほか、薄切りにしたものに衣をつけて天ぷらにするのも良いでしょう。手づかみ食べにも使える、便利メニューです。

十分にあく抜きをして使う

なすはアクが強いため、子どもご飯に使うときはあく抜きをしっかりと行うことが大切です。

やり方はシンプルで、食べやすいサイズに切ったなすをボウルに入れて水につければOK。

あまり長く水につけすぎると、水溶性の栄養素が失われやすくなるため注意しましょう。5~10分ほどを目安にザルに上げて、水気を切れば大丈夫です。

あくを抜くには塩を振る方法もありますが、子どもは腎臓の成長の途中なので、濃い塩分は体の負担につながる可能性があります。

少しでも摂取する塩分を減らせるよう、子どもご飯に使うなすのあく抜きは水につける方法がおすすめです。

離乳食完了期におすすめ!なすで作る楽ウマ手づかみレシピ3つ

離乳食完了期は、子どもが手づかみで食べる練習を始める大切な時期です。でも、毎回手づかみ用のメニューを考えたり、調理するのは意外と大変

そこで今回は、なすを使ったレシピの中から、時短で簡単に作れる手づかみメニューを3つ厳選してご紹介します。

トースターで10分でできる!「なすピザ」

トロッと焼けたなすの上にチーズがとろける、見た目も香ばしい「なすピザ」は、手づかみメニューにぴったり!

トースターだけで調理できるので、忙しい日でも手軽に作れますよ。

【材料(子ども1〜2人分)】

  • なす…1本
  • ピザ用チーズ…適量
  • ケチャップ…小さじ1
  • オリーブオイル…少々

※お好みでハムなどをプラスしてもおいしいです。

【作り方】

  1. なすは1cmほどの輪切りにしたら、5〜10分ほど水にさらしてアクを抜く。
  2. キッチンペーパーで水気をふき取ったら、トレーに並べる。
  3. なすの片面にオリーブオイル、ケチャップの順で薄く塗り、チーズを乗せる(ハムをのせる場合は、ここでケチャップの上に乗せる)。
  4. トースターで10分を目安に焼き、チーズがとろけて焼き色がついたら完成!

手づかみしやすいサイズに仕上がるうえ、チーズの風味がなすの苦味や食感をうまくカバーしてくれるため、なす嫌いの子でも食べやすくておすすめです。

レンチン4分で完成!「なすのおかか和え」

あと一品ほしいときに重宝するのが、電子レンジで作れる簡単レシピ「なすのおかか和え」

火を使わずに4分で完成するので、忙しい日の副菜にぴったりです。

【材料(子ども1〜2人分)】

  • なす…1本
  • かつお節…1/2袋
  • しょうゆ…少々
  • 水…少量

【作り方】

  1. なすを5㎜角に切り、水を張ったボウルに入れてあくを抜く(※皮はむいてもむかなくてもどちらでもOKです)。
  2. 耐熱容器に水気を切ったなすを入れ、少量の水を加えてラップをふんわりかけたら、電子レンジ(600W)で約4分加熱する。
  3. 加熱後、水気を軽く切ってから、かつお節としょうゆを加えてざっくり和えたらできあがり!

なすのとろっとした食感とかつお節のうまみが合わさり、苦味やえぐ味が気になりにくくなります。小さく切れば手づかみしやすく、離乳食完了期のおかずにぴったりです。

たんぱく質もとれる!「なすのはさみ焼き」

なすとたんぱく質を一緒にとれる「なすのはさみ焼き」は、食べ応えも満点で、メインのおかずにもなる手づかみレシピです。外はジューシー、中はふっくらで、子どもの食欲をそそります。

【材料(子ども1〜2人分)】

  • なす…大きめ2本
  • 鶏ひき肉…150g
  • 豆腐…150g
  • 乾燥ひじき…5g
  • 玉ねぎ…1/4個
  • 片栗粉…大さじ2
  • しょうゆ…少量

【作り方】

  1. ひじきを水で戻しておく。玉ねぎをみじん切りにしておく。なすは1cmほどの輪切りにし、水にさらしてアクを抜く。豆腐をキッチンペーパーで包み、水を切っておく。
  2. ボウルに鶏ひき肉・水切りした豆腐・玉ねぎ・乾燥ひじき・片栗粉を入れて混ぜる。
  3. 水切りが終わったなすをキッチンペーパーなどで拭き、片栗粉をまぶす。
  4. 2枚のなすで2を挟み、成形する。
  5. フライパンに少量の油を熱し、4を並べて弱火でじっくり両面を焼く。
  6. 火が通ったら、最後に少量のしょうゆで味付けしてできあがり(味付けなしでも食べる場合はそのままでもOK)。

肉ダネがなすに包まれているため、手が汚れにくく、手づかみしやすいのがポイント。なすの苦味も気になりにくく、ボリュームがあるのに食べやすい、おすすめの一品です。

まとめ|離乳食完了期も調理の工夫でなすを手づかみで食べよう

なすは、食物繊維や抗酸化作用のあるナスニンなど、子どもの成長をサポートする栄養素を豊富に含みます

積極的に取り入れたい野菜ですが、苦味や食感、見た目の印象から「食べたくない」と感じる子が多いのも事実です。

そんななすだからこそ「食べやすくなる調理の工夫」が欠かせません。あくを抜く・油で加熱する・皮をむくといったちょっとしたひと手間で、味や食感への抵抗感が大きく下がります。

苦手を無理に克服させるのではなく、離乳食完了期から旬野菜を食べるきっかけ作りとして、なすを使った手づかみメニューもコツコツ取り入れていきましょう。

(執筆者:渡辺 ゆき)