週末だけでも自然のなかで静かに過ごしたいと考えていませんか。
千代田区や港区など都心で働く方なら、週末移住に興味を持たれているかもしれません。
平屋200平米以下なら確認申請不要で手数料・期間を削減できます。
省エネ基準適合義務化により建築規制が厳格化する中、都市計画区域外は貴重な選択肢となっています。
本記事では都市計画区域外での家づくりから具体的な活用パターンまで解説します。
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2025年4月法改正で何が変わるか
2025年4月から建築基準法が改正され、「4号建築物」が廃止されました。
新たに「新2号建築物」と「新3号建築物」に再編されています。
新2号建築物は木造2階建てと延床200㎡超の平屋が対象で、都市計画区域外でも確認申請が必要になりました。
一方、新3号建築物は延床200㎡以下の平屋で、都市計画区域外なら確認申請不要です。
最重要ポイント:都市計画区域外でも、2階建てや200㎡超の平屋は確認申請が必要になりました。
確認申請不要で得られるメリット
都市計画区域外で確認申請が不要になるのは、平屋建て・延床200平米以下・特殊建築物でない新3号建築物のみです。
確認申請不要により、手数料と期間の削減が可能です。
千葉県の例では、延床面積100㎡超200㎡以下の住宅で確認申請手数料33,000円、完了検査手数料31,000円の計64,000円程度、申請期間7日~35日程度を削減できます。
建ぺい率・容積率の制限もありませんが、各自治体の条例による独自規制に注意が必要です。
見落としがちな規制と追加費用
インフラ整備にかかる現実的なコスト
都市計画区域外では以下のインフラ整備費用がかかる場合があります。
浄化槽設置は80万円~140万円で年間約7万円の維持費、電気引込工事は50万円~200万円、上水道引込は30万円~100万円が目安です。
深谷市の実績データによると、7人槽浄化槽の年間維持費は69,374円(清掃32,650円、保守点検13,924円、定期検査5,000円、ブロア電気料17,800円)となっています。
多くの自治体で浄化槽設置補助金(30万円~80万円程度)を利用できます。
沢水を上水道代わりに使う場合
コスト削減効果は大きいが要注意 上水道引込工事の30万円~100万円を節約できる沢水利用ですが、法的扱いが曖昧で注意が必要です。
まず必須なのが水質検査で、周囲の地形や条件により水質が変わるためです。
また、取水量が1日1,200m3以上(一般住宅では該当しませんが)の場合は特定水利使用として許可が必要になります。
実際に田舎では黒いポリエチレン管で沢水を引いている光景をよく見かけますが、新規設置は法的にグレーゾーンが多いのが現状です。
バイオトイレで浄化槽費用を削減
設置費用80万円~140万円+年間7万円の維持費を節約 浄化槽に代わる選択肢として、微生物の働きで排せつ物を分解・処理するバイオトイレがあります。
処理後は農業用の肥料として活用でき、水を使わずおがくずなどで処理する環境に優しいシステムです。
設置時の重要ポイント バイオトイレは「放流させない」ことが最重要です。
移動可能な構造なら建築物に該当せず確認申請不要ですが、地中に埋め込む場合は建築確認申請が必要になります。
「囲われていて漏れない」密閉構造であることがキーポイントです。
太陽光発電で電気代を大幅削減
電気引込工事50万円~200万円の節約も可能 太陽光発電システムなら電気引込工事費用を削減できる上、毎月の電気代も大幅に節約できます。令和3年に制定された技術基準により、10kW以上50kW未満の設備は低圧区分として経済産業省への申請が必要です。
申請期間は余裕を持って 電力会社への系統連系申請が必要で、完全自家消費型なら3ヶ月程度、余剰売電型なら10ヶ月程度の期間がかかります。建築工事との兼ね合いを考慮して早めの申請がおすすめです。
土地に関する重要な規制
農地転用の制限では、農業振興地域内の農用地区域で転用が原則禁止されています。転用には農振除外と農地転用許可の両方が必要で、手続きに6ヶ月~1年を要します。
森林法による制限では、1ヘクタール超の森林開発は林地開発許可が必要です。太陽光発電設備の場合は0.5ヘクタール超から許可対象となります。
その他、土砂災害警戒区域での建築制限、42条2項道路への接道制限、浄化槽設置に関する各自治体条例などがあります。
週末移住・2地域居住での活用パターン7選
パターン1:ミニマル平屋住宅
建築面積15坪程度(50㎡)で、平屋の坪単価40万円~60万円を適用すると総工費600万円~900万円程度。
外構・付帯工事費(10~20%)は別途必要です。
リビング・寝室・書斎の3室構成で、フルリモート中心の方におすすめです。
パターン2:ログハウス風住宅
建築面積20坪程度(65㎡)で総工費800万円~1,200万円程度。
薪ストーブ設置可能で、スローライフ志向の方に最適です。
パターン3:アウトドア基地型住宅
建築面積17坪程度(55㎡)で総工費680万円~1,000万円程度。
キャンプ用品保管に特化し、週末キャンプ好きの方におすすめです。
パターン4:テレワーク対応住宅
建築面積21坪程度(70㎡)で総工費840万円~1,300万円程度。
防音書斎完備で、リモートワーク中心の方に適しています。
パターン5:菜園付き住宅
建築面積18坪程度(60㎡)で総工費720万円~1,100万円程度。
農機具保管庫付きで、週末農業志向の方におすすめです。
パターン6:ガレージ一体型住宅
建築面積24坪程度(80㎡)で総工費960万円~1,500万円程度。
40㎡のガレージ付きで、車・バイク整備好きの方に最適です。
パターン7:民泊対応住宅
建築面積23坪程度(75㎡)で総工費920万円~1,400万円程度。
一部民泊活用可能で、収益化希望の方におすすめです。
※上記価格は平屋坪単価40万円~60万円を基準とした建物本体価格の概算であり、外構工事・付帯工事費(10~20%)、地域・仕様により変動します。
地図から土地面積を正確に測定
地図から面積測定ツールで住所検索後、土地を1点ずつクリックして囲むと面積が表示されます。測定後は150工程シミュレーションで建築可能な住宅規模も算出できます。
アクセス重視の立地選択
2024年移住希望地ランキングでは1位群馬県、2位静岡県、3位栃木県です。
週末移住では移動時間が重要なため、都心から車で2時間以内、電車で1時間半以内の立地をおすすめします。
失敗を避けるためのチェックリスト
土地購入前の必須確認事項
都市計画区域外であることの確認、農業振興地域・農用地区域の指定状況、森林法の適用範囲、インフラ整備状況(電気・上水道・通信)、建築基準法上の道路への接道確認が必要です。
建築時の注意点
工事届の提出、建築基準法基準の遵守、各自治体条例の確認を忘れずに行いましょう。
よくある質問
確認申請が不要になる条件は何ですか?
都市計画区域外で平屋建て、延床200㎡以下、特殊建築物でない場合に不要になります。
浄化槽設置に補助金はありますか?
多くの自治体で30万円~80万円の補助金制度があります。
農地は住宅建設に利用できますか?
農業振興地域外の農地なら転用許可により建設可能ですが、手続きが必要です。
沢水を生活用水として利用できますか?
法的扱いが曖昧で、水質検査が必要です。取水量によっては許可が必要な場合があります。
バイオトイレは建築確認申請が必要ですか?
移動可能で放流しない構造なら建築物に該当しませんが、地中埋設の場合は申請が必要です。
まとめ
都市計画区域外なら平屋200平米以下で確認申請不要により、手数料・期間を削減できます。ただし、インフラ整備費用(浄化槽年間約7万円等)や各種規制への対応が必要な場合があります。沢水利用、バイオトイレ、太陽光発電などの代替手段も検討しつつ、地図測定ツールで具体的な計画を立て、理想の「週末移住・2地域居住」を実現してください。
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(執筆者:あおちゃん)