初めてのマイホーム。工事が始まってから戸惑うこと、いっぱいありますよね。誰もがマイホームで失敗したくない筈です。
このコラムは、400件以上の注文住宅の設計監理に携わった経験のある筆者が、住宅設計・工事において起こりやすいミス・注意するべきことと、その対策について解説します。
工事種別毎に、具体的に発生した(起こりうる)ミス・事故の原因と背景を解説するとともに、その解決策を簡潔にお伝えします。
今回は「あぁ!やってしまった!」注文住宅の事件簿、こうなる前に 「電気配線・エアコン工事編」です。
コンセント、スイッチの位置を変えたいが壁を張ってしまった!

最近は、打ち合わせ図面をもとに電気配線を工場であらかじめ加工して現場に入れる機会が多いです。多少は現場加工はできるものの、融通が聞きづらくなっています。極力現場が始まってからのスイッチ・コンセント・電気配線の変更は避けたほうが無難です。
また、当然ですが壁等を張った後でスイッチ・コンセント・照明などの変更となると、床や壁、天井を剥がさない限りなかなか至難の業です。
打ち合わせの際、電気打ち合わせの担当がきめ細やかにアドバイスしてくれるのが理想ですが、スイッチ・コンセントにおける押さえておきたい注意点をお伝えします。

■スイッチ・コンセントの注意点
・現場で電気配線の最終確認打ち合わせを必ず行う
建物が上棟し、電気配線を施した段階で必ず最終確認の立会を行いましょう。ここが変更可能なタイムリミットです。
・スイッチはドア付近に!意外とスイッチボックスを納める壁が無いことがある
スイッチの位置は動線でスムーズに使えないとストレスです。部屋に入る・出ることを意識して打ち合わせをしましょう。
・コンセントは部屋の対角に設けるのが基本
基本は部屋に対角ですが、迷ったらコンセントは付けましょう。後で後悔するよりマシです。ベッドで携帯の充電、ルーターを置く場所、プリンターを置く場所、キッチン側で調理に必要なコンセント、廊下での掃除、屋外でのEV車の充電やケルヒャーのコンセント、ルンバの常駐先、子供部屋を将来二部屋に分割する。コンセント、足りてますか。
エアコン取り付け位置を失敗した! せっかくの外観が台無し!

エアコン取り付け位置は室外機の位置、家具のレイアウトをあらかじめ考え、よく打ち合わせをしましょう。よくあるトラブルと注意点は以下になります。
■エアコン・室外機の注意点
・エアコンの冷媒管・ドレンホースが建物外観上美しくない!
・カーテンポールがエアコンに干渉して納まらない!
・ベットに直接エアコンの風が当たる!
・2m近い高さの家具が干渉した!
こんなトラブルがよくあります。また、エアコンの隠蔽配管を採用される方も中にはいらっしゃいます。否定はいたしませんがメンテナンスを考えるとお薦めはできません。エアコンの省エネ性能も年々向上しています。将来の買い替えを視野に入れましょう。
(執筆者:HK-HG 一級建築士・宅地建物取引士・行政書士・応急危険度判定士)