【施主支給で住宅メーカーと大モメ!】あぁ!やってしまった! 注文住宅の事件簿、こうなる前に

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(写真:photo AC)

初めてのマイホーム。工事が始まってから戸惑うこと、いっぱいありますよね。誰もがマイホームで失敗したくない筈です。

このコラムは、400件以上の注文住宅の設計監理に携わった経験のある筆者が、住宅設計・工事において起こりやすいミス・注意するべきことと、その対策について解説します。

工事種別毎に、具体的に発生した(起こりうる)ミス・事故の原因と背景を解説するとともに、その解決策を簡潔にお伝えします。

今回は「あぁ!やってしまった!」注文住宅の事件簿、こうなる前に 「住宅設備編」です。

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設備を施主支給で購入し、住宅メーカーと揉めてしまった!

正直なところ、これが一番住宅メーカーとしては困りますし、トラブルの元です。

最近はネット等でお得な設備機器やおしゃれな設備が販売されており、少しでも良いものをよりお得に購入したいというお客様のお気持ちはとても理解できます。

しかし、これはトラブルの第一歩です。施主支給の設備や建材を断っている住宅メーカーや、割増料金をとるメーカーが多いと思います。
以下は私が知っている限りで実際に起こったトラブルです。

・キッチンが発注間違いで納まらない!

・設備に傷がついたが搬送中か施工中かわからない!

・洗面所から漏水した!

・給湯器の容量が足りない!

・設備の左右を間違えて購入した!

・トイレの給排水管の位置を間違えた!

しっかりと設備承認図を施主と住宅メーカーで確認していればトラブルは少ないと思われがちですが、お客様が詳しくない限りは正しい図面を住宅メーカーに渡せないこともあります。
特に設備の左右の間違い、サイズが納まらない、床給排水と壁給排水を間違えた。などトラブルが多いです。

写真:Photo AC

さらに、施主支給品の設備の故障や問題なのか、施工側の問題なのか責任範疇が明確でないことも多いのが実情です。
タオルリングやタオル掛等、アクセサリー程度であれば施主支給で好きなものを選んで良いと思いますが、設備機器は間違えて購入した場合は返品すらできず、かえって高くつくことも有り得ます。

極力施主支給を避け、くれぐれもすべての設備を施主支給とかはやめましょう。もし、どうしてもであれば、住宅メーカーとよく打ち合わせの上、自己責任で購入してください。

キッチンの高さが高すぎる!低すぎる!

毎日使うキッチンです。天板の高さ決定は家事に直結する大切な要素です。キッチンの高さに付いてのクレーム。これはハウスメーカー設計との打ち合わせ不足が原因です。一般的にはH850の天板が多いと思います。

「身長 ÷ 2 + 5cm」 が理想のキッチン天板高さです。

ユニットバスの湯船が狭い!

写真:Photo AC

これもたまにあります。ショールームで浴槽の大きさを体感したほうが良いです。
なお、1616のユニットバスと1818のユニットバスも基本的に湯船のサイズは同じです。大きな浴槽を希望される方はワイド浴槽を選びましょう。

設備機器の余談 住宅メーカーは量を入れて設備の価格を下げている

住宅メーカーでは、設備機器を数を入れることで設備機器のコストダウンを図っています。
逆に言えば、その設定から外れた設備機器は高いです。強い設備へのこだわりがなければ、住宅メーカーにて標準設備、もしくはオプション設備の範囲で選んだほうが良いものを安く仕入れており、結果的にお得です。

(執筆者:HK-HG 一級建築士・宅地建物取引士・行政書士・応急危険度判定士)