ポストを開けたら、また電気代の請求書。「え、今月もこんなに高いの?」とため息が出ます。近年は電気代が高止まりの声が増えています。
でも大丈夫です。理由を押さえて使い方を整えれば、世帯によっては年間で数万円規模の節約も狙えます。この記事では、電気代が高くなる本当の原因から、今日からできる節約ワザまで、わかりやすく解説します。
電気代が高い原因は?家庭でよくある5つの理由
「うちだけ電気代が高いのかな?」と不安になりますが、実は多くの家庭で共通する原因があります。
待機電力の積み重ねが一番見落としがち
テレビ、エアコン、電子レンジ。コンセントに挿しっぱなしの家電はありませんか。実はこれ、24時間ずっと電気を消費し続けています。
家庭全体の数%程度を占める場合も。放置すると積み上がります。
古い家電が電気代を押し上げている
「まだ使えるから」と10年以上使っている冷蔵庫やエアコンはありませんか。
実は旧機種より最新機種は使用電力量が大きく下がる傾向にあります。特に24時間365日動いている冷蔵庫は、買い替えによる削減効果を実感しやすい家電です。エアコンも同様で、「買い替えた方が安い」というのは本当です。
電力会社の契約、見直していますか?
2016年の電力自由化以降、色々なプランが登場しました。でも「よくわからないから昔のまま」という方も多いのではないでしょうか。
日中は仕事で誰もいないのに昼間の電気が割高なプラン、オール電化なのにガス併用向けのプラン。こんなミスマッチで、年間数千円から数万円も損しているケースがあります。
エアコンの設定温度、ちょっと極端ではありませんか?
暑いからと25℃、寒いからと23℃。気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。
設定を1℃見直すだけでも使用電力量が目に見えて下がることがあります。塵も積もれば山となるです。
小さな無駄遣いが積み重なっている
誰もいない部屋の照明をつけっぱなし。冷蔵庫にぎゅうぎゅう詰め。電気ケトルで使わない分まで沸かしてしまう。
「これくらい大丈夫」と思いがちですが、こういう小さな習慣が年間で大きな差を生んでいます。
今日から0円でできる電気代削減の方法
「節約グッズを買うお金もないんだけど…」と思う方も大丈夫です。まずはお金をかけずにできることから始めましょう。
寝る前の「おやすみスイッチ」を習慣に
テレビ周辺機器をまとめて1つの電源タップに接続して、寝る前にパチン。
朝起きたらON、夜寝る前にOFF。この習慣だけで、テレビ周りの待機電力を大きくカットできます。
ただし要注意です。冷蔵庫、Wi-Fiルーター、録画予約中のレコーダーは切ってはいけません。
エアコン、実は「つけっぱなし」が正解のこともある
「こまめに消した方が節電になる」と信じていませんか。実は状況によって違います。
メーカーの実証実験では、短時間の外出なら「つけっぱなし」の方がお得なケースも。一方で長時間の外出なら「こまめに切る」方が有利です。
設定温度も大事です。環境省は夏28℃、冬20℃を推奨しています。「ちょっと暑い(寒い)かな」くらいが節約のコツです。
フィルター掃除も忘れずに。定期的な掃除で効率が保たれます。
冷蔵庫の「詰め込みすぎ」、今すぐ見直しを
「もったいないから」と、冷蔵庫にぎゅうぎゅう詰めにしていませんか。
詰め込んだ状態では冷気が循環できず、余計に電気を使ってしまいます。
冷蔵室は7〜8割くらいに抑えて、冷気の吹き出し口の前は開けておきましょう。温度設定を「強」から「中」に変えるのも効果的。冷蔵庫の周りに5〜10cmのスペースを作ると、放熱がスムーズになります。
1,000〜5,000円以下の節電対策
「ちょっとだけ投資してもいいかな」という方には、こんなアイテムがおすすめです。
個別スイッチ付き電源タップ(1,000〜3,000円)
「テレビは見るけど、レコーダーは今使わない」という時に便利です。個別スイッチなら、使わない家電だけをOFFにできます。
LED電球、もう替えましたか?(800〜2,100円/個)
これは本当にコスパが良いです。白熱球からLEDに替えると大幅に削減できます。使用頻度の高い部屋から替えると回収が早いです。
よく使うリビングや寝室から替えていくのがおすすめです。
サーキュレーターでエアコン効率アップ(2,000〜5,000円)
エアコンと併用すると便利です。空気を循環させると体感が安定し、設定温度を見直しやすくなります。
冷房時はエアコンの対角線上に置いて天井向き、暖房時はエアコンの下に置いて天井向きに送風するのがコツです。
窓用断熱シートで冷暖房費を節約(500〜3,000円/㎡)
窓は熱の出入りが大きいポイントです。断熱シートを貼るだけで冷暖房効率が上がります。
賃貸でも大丈夫な、水だけで貼れるタイプを選びましょう。
絶対NG!危険な節電方法
「節約のため」と思ってやっていることが、実は危険な場合があります。
冷蔵庫を「弱」にしすぎると食中毒の危険
「節電のために弱にしよう」と思っても、ちょっと待ってください。食中毒菌は10℃超で急速に増殖します。
冷蔵室は2〜5℃、冷凍室は-18℃以下を保つのが基本です。夏場は「中」、冬場のみ「弱」が正解です。
ブレーカーを落として家電を強制停止
「旅行中はブレーカーを落とせば節電になる」と思っていませんか。確かに待機電力は削減できますが、冷蔵庫の食品が腐る、Wi-Fiルーターの設定が消える、録画予約が消えるなど、不便が多すぎます。
また、漏水センサーや警報機、スマートロックなど常時通電が必要な機器も止まってしまいます。
長期不在の場合は、個別に家電のプラグを抜く方が安全です。冷蔵庫は中身を空にしてから電源を切りましょう。
コンセントの頻繁な抜き差しで機器を傷める
「使わない時はすぐコンセントを抜こう」と、テレビやパソコンのプラグを毎日抜き差ししていませんか。
頻繁な抜き差しは接続部を傷め、故障の原因になります。毎日抜き差しするなら、個別スイッチ付き電源タップを使いましょう。冷蔵庫やWi-Fiルーターは抜いてはいけません。
電気代が異常に高い時はプロに相談を
色々試しても電気代が下がらない、急に跳ね上がったという場合は、専門家に相談しましょう。
漏電の可能性をチェック
電気の使用量が変わっていないのに急に電気代が上がった場合、漏電している可能性があります。漏電は電気代が高くなるだけでなく、火災の危険もあるため早急な対応が必要です。
電力会社や電気工事店に連絡して、漏電の有無を調べてもらいましょう。
契約アンペアの見直し相談
家族が増えた、在宅勤務が始まったなど、生活スタイルが変わったら契約アンペアの見直しを。アンペア数が足りないとブレーカーが頻繁に落ちて不便です。
住まいと家電構成で変わりますが、目安として1人暮らし20〜30A、2人暮らし30A、3〜4人家族40A、5人以上50〜60A程度です。電力会社に連絡すれば、無料〜15,000円程度で変更できます。
電力会社のプラン相談
「どのプランが自分に合っているかわからない」という場合は、電力会社のカスタマーセンターに相談できます。使用状況を伝えれば、最適なプランを提案してもらえます。
電気代を根本から削減する方法
「もっと本格的に電気代を減らしたい」という方には、こんな方法があります。
電力会社の乗り換え(初期費用0円)
2016年の電力自由化以降、色々な会社やプランが選べるようになりました。適切なプランに乗り換えるだけで、年間で数千円から数万円の削減も可能です。
電気料金の比較サイトで5分程度シミュレーションできます。ガスや携帯電話とのセット割引もチェックしてみてください。
10年選手の家電は買い替え検討
冷蔵庫やエアコンを買い替えると、年間の電気代が大きく下がる傾向にあります。「もったいない」より「買い替えた方がお得」なケースも多いです。
買う時は統一省エネラベルの★の数を確認しましょう。自治体によっては省エネ家電購入の補助金もあります。
太陽光発電は長期的にお得
初期費用や回収年数は地域・条件で大きく異なります。自治体の補助金も要確認です。
災害時の非常用電源にもなりますし、長期的に考えるならアリです。
まとめ
電気代が高い原因、わかりましたか。待機電力、古い家電、契約のミスマッチ、エアコンの使い方、日々の無駄遣い。どれか1つは心当たりがあったのではないでしょうか。
まずは今日から0円でできることを始めましょう。寝る前の電源タップOFF、エアコンの設定温度見直し、冷蔵庫の整理。小さなことからコツコツと。
余裕があればLED電球や電源タップに投資を。サーキュレーターや断熱シートで本格的な節電も可能です。
10年以上使っている家電があるなら買い替え検討を。電力会社の乗り換えも忘れずに。
安全第一でお願いします。冷蔵庫の過度な温度低下、ブレーカーでの一括停止、コンセントの頻繁な抜き差しには注意してください。電気代が異常に高い場合は、漏電の可能性もあるため、すぐに専門家に相談しましょう。
小さな工夫の積み重ねで、年間で大きな節約も可能です。来月の電気代請求書を見るのが、ちょっと楽しみになりますように。
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(執筆者:あおちゃん)