【6月の離乳食・幼児食】子どものお弁当作りで注意!食中毒になりやすいおかずとは?

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写真:Photo AC

子どもにとってお弁当は楽しみですが、食中毒が気になるという方は多いでしょう。

作ってから食べるまでに時間が空くお弁当は、衛生管理が大切。特に温度や湿度が高くなる6月は、食材が傷みやすく食中毒リスクが上がるため注意が必要です。

今回は、万が一にもお弁当で体調を崩すことがないよう、お子さんが安心して食べられるお弁当作りのコツや、食中毒リスクが高めのおかず・低めのおかずを紹介します。ポイントを押さえて、お弁当作りを安全に楽しみましょう。

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食中毒リスクが高めのおかずと理由とは?具体例を挙げて解説

おかず選びのポイントの1つが「水分」です。湿った状態が続くと、食中毒のもとになる細菌が増えやすくなります。

実は、お弁当によく入っているイメージの強いおかずの中には水分が出やすく、気温や湿度が上がる時期は避けたいものがあります。

知らずにお弁当に入れて食中毒を引き起こしてしまわないよう、食中毒のリスクが高いおかずを前もってチェックしておきましょう。

混ぜご飯・炊き込みご飯

お弁当の定番ではありますが、実はご飯に具材が混ざったメニューは注意が必要です。混ぜ込まれた肉や野菜から水分がにじみ出ることで、傷みやすくなってしまいます。

白ご飯が苦手で味のついたご飯を食べさせたい場合は、常温保存が可能なふりかけを使うと、衛生面でも安心です。

ただし、ゴミが出る、自分で開けるのが難しいといった理由で、ふりかけの持参がNGの園もあります。そのようなときは、海苔などの乾燥食品で風味にアクセントを加える方法も検討しましょう。

生野菜・フルーツ

レタスやきゅうりなどを使ったお弁当は、本やSNSで見かける機会が多く「お弁当の定番」というイメージを持つ方も少なくありません。

とはいえ、生野菜は以下の理由から、お弁当ではなくおうちで楽しむ方が安心です。

  • 暑い時期は傷みやすい
  • 時間が経つにつれて水分が出てしまう
  • 十分に洗っても土壌菌を落としきれない場合がある

生野菜の中では、ミニトマトが「お弁当向き」とされる場合もあります。しかし、子どもが丸ごと食べると喉に詰まり、窒息事故につながるかもしれません。

小さな子どもにミニトマトを与える際は4等分にカットするのが基本ですが、切ると中の果汁が出て水分が増えるため、食中毒菌の繁殖を促すリスクが高まります。

ミニトマトは夏においしい野菜の1つですが、お弁当ではなく自宅で安全に楽しむのがおすすめです。

参考:消費者庁「ミニトマトや大粒のブドウは4等分しましょう!

加熱不足の卵料理

卵には、食中毒の原因となるサルモネラ菌が含まれている可能性があります。

サルモネラ菌に感染している卵の割合は少ないため、過度に心配する必要はないのですが、万が一子どもが口にすると、重い症状を引き起こすかもしれません。後悔しないためにも、調理時の対策が重要です。

サルモネラ菌は熱に弱いため、調理の際は「75℃以上で1分以上加熱」を心がけましょう。

卵焼きやゆで卵といった卵料理をお弁当に入れる際は、中までしっかりと加熱することが大切です。

半熟卵のような加熱が不十分なものをお弁当に入れるのは、食中毒のリスクが高いためおすすめできません。

参考:食品安全委員会「加熱してもなぜ食中毒が起こるのでしょうか?」

汁気が多い煮物料理

肉じゃがや筑前煮といった煮物は、お弁当に入っているイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、煮汁が多いまま入れてしまうと、食中毒菌が繁殖してしまうかもしれません。

お弁当のおかずに煮物を入れる場合は、十分に加熱して水分を飛ばすことが大切です。

さらに、お弁当に詰める前にはキッチンペーパーで余分な煮汁をしっかり吸い取るなどし、できるだけ水分を少なくした状態で入れるように気を付けましょう。

要冷蔵の食品・調味料を使ったおかず

ハムやちくわ、かまぼこといった加工品や、マヨネーズなどの調味料も、お弁当作りに役立つ食品です。

しかし、これらの食品・調味料は本来、冷蔵庫で保存する食品や調味料です。食べるまでの間に傷んでしまったり、食中毒菌が増えたりするリスクがあります。

加工品を使う場合は炒めたり油で揚げたりして、十分に加熱して使いましょう。たとえばちくわの磯辺揚げは、お弁当向きのメニューの1つです。

ポテトサラダなどのマヨネーズを使ったおかずもお弁当のおかずとして人気ですが、マヨネーズの傷みやすさに加え、じゃがいもも水分が出やすく傷みやすいという特徴があります。

子どものお弁当には入れず、自宅で食べるメニューとして取り入れるのがおすすめです。

夏の子ども弁当向きのおかずとは?選び方のコツと具体例を解説

食中毒になりやすいおかずをご紹介してきましたが「じゃあ、何を入れれば良いの?」とお困りの方もいらっしゃるでしょう。

迷わずにお弁当作りを進められるよう、子どものお弁当に入れやすいおかずを具体例を挙げて紹介します。

揚げ物は高温調理で安心

揚げ物は、高温調理で中まで火が通るうえに水分が出にくいため、夏のお弁当にも向いているおかずです。唐揚げやフライなど、レパートリーが多いところも嬉しいですね。

とはいえ、すべての揚げ物が適しているわけではありません。じゃがいもは水分を多く含み傷みやすいという特徴があるため、コロッケを入れるのは控えるのが無難です。

もしもお子さんがコロッケが好きで入れたい場合は、冷凍食品を活用するのも選択肢の1つ。朝お弁当に入れ、昼には自然解凍で食べ頃になる商品などを使うと便利です。

酢を使ったおかず

身近な調味料の中でも「酢」は、抗菌作用が高いことで知られています。味付けに活用すれば細菌の繁殖を抑えやすくなるため、湿度や暑さが気になる時期のお弁当作りに役立つ調味料の1つです。

ただし、「酸っぱい味」は腐敗のサインとして本能的に子どもに認識されるため、お酢を使ったおかずは苦手とする子もいるでしょう。

その場合は、お米を炊く際にお酢を加えるのもおすすめです。

米1合に対して酢を小さじ1程度入れて炊けば、お酢の効果でご飯が傷みにくくなります。加熱により酸味が飛ぶため、酢の味や匂いを気にせずにお酢の抗菌効果を得られる点が嬉しいですね。

汁気が少ないおかず

細菌は水分が多いところで繁殖しやすい傾向があるため、水分を多く含むおかずは避けましょう。

たとえば副菜だと、おすすめなのがきんぴらごぼうです。汁気が少ないうえに十分に加熱して味を付けるため、食中毒リスクが低いおかずとして活躍します。

和え物を入れたい場合は、ごま和えやおかか和えを活用するのも選択肢の1つです。すりごまやかつお節が余分な水分を吸ってくれるため、時間が経っても水分が出にくくなります。

食中毒になりにくいお弁当作りのコツ|おかず選び以外のポイント

夏のお弁当向きのおかずを選んだとしても、それだけで食中毒を完全に予防できるわけではありません。

調理時のちょっとしたきっかけで、食中毒のリスクを高めてしまうケースもあります。

ここからは、安心・安全なお弁当作りのために、おかず選び以外で注意したいポイントを解説しましょう。

お弁当箱や調理器具も清潔に

せっかく注意を払っておかずを作っても、お弁当箱や調理器具に菌が残っていれば、食中毒につながるかもしれません。

お弁当箱や調理に使う道具は、常に衛生的な状態を保つことが大切です。

お弁当箱は洗うときにパッキンを外して細かい部分まで丁寧に洗いしっかりと乾かせば、清潔な状態を保ちやすくなります。

また、調理に使う器具の管理も、食中毒菌の繁殖を防ぐために重要なポイントの1つです。

お弁当に詰めるときに使う菜箸は、使いまわさないようにしましょう。1つの菜箸で全てのおかずを詰める場合は、おかずが変わるごとに先端をキッチンペーパーで拭くなどし、清潔に保つ工夫が欠かせません。

ご飯やおかずを素手で触らない

お弁当作りでは、しっかりと手を洗うことは大切です。

ただし、どれだけきれいに洗っても、手には目に見えない細菌がいる可能性はあります。ご飯やおかずを素手で触れば菌が付着してしまい、時間が経つにつれて増殖してしまうかもしれません。

ご飯やおかずは、直接手で触れないようにしましょう。

おにぎりを握るのであれば、ラップを活用すると安心です。おかずを詰める際は使い捨ての手袋をはめるなどすれば、おかずに手を触れずに済みます。

ご飯やおかずは冷めてから詰める

温かいままのおかずをお弁当箱に詰めるとふたの内側に水滴がつき、食中毒菌が繁殖しやすい環境になってしまいます

また、湿度が高くなるため、食材が傷みやすくなる点も心配です。

ご飯やおかずは、しっかり冷めてから詰めましょう。温かい状態でおかずをお弁当箱に詰めて冷ますより、おかずを1つずつ冷ました後で詰めた方が、お弁当全体が早く適温になり菌の繁殖を抑えられます。

おいしくて安全なお弁当にするためにも「冷ます時間」も考慮したうえで、朝のお弁当作りの計画を立てましょう。

おかず同士がくっつかないように

お弁当ではおかず同士がくっつかないように詰めることも、食中毒を防ぐうえで重要なポイントです。

異なるおかずが直接触れてしまうと、味やにおいが移るだけでなく水分や油分が混ざり合い、菌が繁殖しやすい環境になってしまう可能性があります。

特に、汁気のあるおかずや油を多く含むおかずは、他の食材に影響を与えやすいため注意が必要です。

仕切りカップやバラン、レタスの代わりになる抗菌シートなどを活用し、それぞれのおかずをきちんと区切ると、衛生的に安心なだけでなく見た目もきれいに仕上がります。

持ち運ぶ際は保冷剤を使っても

暑い時期にお弁当を持ち運ぶ際は、できるだけ温度が上がらないように工夫することが大切です。

外気の影響でお弁当の中の温度が高くなると、食材が傷みやすくなり、食中毒のリスクが高まります。

そこで活用したいのが「保冷剤」です。お弁当箱と一緒に保冷剤を入れておけばお弁当全体の温度上昇を抑え、食中毒のリスクが低下します。

保冷剤をつけるだけでなく保冷バッグに入れて持ち運べば、より安心感が高まるでしょう。

移動や食べるまでの環境を考慮しながら、保冷バッグの使用も検討すると安心です。

まとめ|お弁当に食中毒になりやすいおかずは避け安全に楽しもう

夏のお弁当は、気温や湿度の影響で食材が傷みやすく、食中毒のリスクも高まります。だからこそ、おかずの選び方や調理・保存の工夫が欠かせません。

生野菜や加熱が不十分な卵料理など、食中毒リスクの高いおかずは避けましょう。そのうえで、しっかり加熱し、十分に冷ましてから詰めることが大切です。

ちょっとした工夫の積み重ねが、おいしくて安全なお弁当作りにつながります。

お子さんにお弁当を楽しく食べてもらうためにも、ポイントを意識して夏のお弁当作りを丁寧に進めましょう。

(執筆者:渡辺ゆき)