光を“選ぶ”という主体性|間接照明が空間の質を決める理由とコスト

I. 内装工事(床・壁・天井)
画像:生成AIにて筆者が作成
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◆ 「どこに光を置くか」が、住まいの格を決める

家づくりで照明を真剣に考える人は、意外と多くありません。

「明るければいい」「標準仕様でいいかな」——そう思っているうちに、
打ち合わせは終わり、引き渡しが来る。

でも実は、照明こそが空間の”質”を最も左右するデザイン要素のひとつです。

ホテルやモデルルームで「なんかここ、雰囲気いいな」と感じたことはありませんか?
あの感覚の正体は、たいてい間接照明です。

光源を直接見せず、壁や天井に光を反射させることで
柔らかく包まれるような明るさが生まれる——それが間接照明の力。

本記事では、間接照明が空間にもたらす効果と、
費用の現実的な考え方を、シミュレーターを使いながら解説します。

◆間接照明がもたらす「3つの空間効果」

  • 陰影が生まれ、奥行きが出る
    シーリングライト1灯で均一に照らした部屋は、どこか”のっぺり”して見えます。
    間接照明は光と影のコントラストをつくり出し、
    空間に立体感と奥行きをもたらします。
    特に漆喰壁や板張り天井との相性は抜群で、素材の質感がぐっと引き立ちます。
  • 生活シーンに合わせた”切り替え”ができる
    朝の支度、昼の仕事、夜のリラックスタイム。
    生活には複数の「顔」があります。
    間接照明があれば、同じ空間でも照明を切り替えるだけで雰囲気が一変
    ダイニングを夕食時にぐっと落ち着かせたり、
    寝室を眠りに誘うムードに整えたりすることができます。
  • 視線を誘導し、インテリアを”見せる”
    絵画、観葉植物、好きな雑貨——
    間接照明は「ここを見てほしい」という場所に
    自然と視線を集めるスポットライト効果を生みます。
    インテリアへのこだわりが、ぐっと際立ちます。

◆「主照明」と「間接照明」の役割分担を知る

間接照明を上手に取り入れるには、照明の”役割分担“の考え方が重要です。

種類役割代表例
主照明(ベース)部屋全体の明るさを確保するシーリングライト、ダウンライト
間接照明(アクセント)雰囲気・陰影・演出をつくるコーブ照明、ブラケット、フットライト

大切なのは、間接照明は「主照明を置き換えるもの」ではないということ。
あくまで主照明の明るさを確保したうえで、プラスαの演出として設計するのが基本です。

◆費用を左右する3つの要素

  • 照明器具そのものの価格
    コーブ照明(天井の折り返し部分に仕込む間接光)に使うLEDテープライトは
    比較的手ごろですが、ペンダントライトやブラケットライトは
    デザインによって数千円〜数十万円まで幅があります。
  • 電気工事の手間(配線・スイッチ)
    間接照明を複数回路に分けてスイッチで切り替えられるようにするには、
    計画段階から電気工事の設計が必要です。
    後から追加しようとすると大掛かりな工事になるため、
    新築・リノベーションのタイミングに検討するのが鉄則です。
  • 建築工事との連動(造作・下地)
    コーブ照明のような「壁や天井に仕込むタイプ」は、
    大工工事の段階で”専用の造作(下地や木枠)”が必要になります。
    器具代だけでなく、造作費用も含めて見ておくことが大切です。

◆費用の目安|どのくらいプラスになる?

種類差額(目安/1箇所)特徴
コーブ照明
(天井向き・上方向)
+4〜8万円天井面に向けて光を当てる(上向き)
→ 天井が明るく浮かび上がる
コーニス照明
(壁向き・下方向)
+3〜7万円壁面に向けて光を当てる(下向き)
→ 壁の素材感・テクスチャーが引き立つ
ブラケットライト(壁付け)+1〜5万円廊下・寝室・玄関などで壁を照らす → 陰影をつける
(器具代+配線工事費込み)
※上記は器具代+設置工事費の目安です。造作を伴う場合は別途費用がかかります。

「間接照明を全部屋に入れたい」となると費用は一気に跳ね上がりますが、
リビングの一面だけ寝室のヘッドボード周りなど、
視線が集まる場所に絞ることで、コストを抑えながら満足度を高められます。

◆補足|コーブ照明とコーニス照明の違い

間接照明について調べ始めると、
必ずと言っていいほど登場する「コーブ照明」と「コーニス照明」という言葉。
なんだか呪文のようですよね(笑)。

どちらも「光源を隠して光を反射させる」という基本は同じですが、
「どこを照らすか」によって空間にもたらす効果がまったく異なります。
比較画像と合わせて、それぞれの特徴を整理しておきましょう。

画像:生成AIにて筆者が作成

◆CraftLifeの150工程シミュレーターで実践!

間接照明を取り入れたくなったら、全体の中での費用が気になりますよね。
150工程シミュレーターで具体的に確認してみましょう。

入力の手順

予算への反映は、”「こだわり代をそのまま追加する」”方法が最も分かりやすくおすすめです。

(例)リビングにコーブ照明を1箇所設置する場合
差額:+8万円

  1. 「M.電気工事」「照明器具」「照明器具取り付け費」を見つけます。
  2. もともと入力されている金額に、計算した差額(例:80,000)をそのまま足して入力してください。

インテリアコーディネーターの視点:
「配線だけ先に通しておく」という手も有効です。
照明器具は引っ越し後に好みが変わることも多いもの。
新築時に配線と取付下地だけ仕込んでおき、
器具は後から自分で選んで取り付ける——
そのやり方で、費用を分散しながら理想に近づけることができます。

◆まとめ|「なんとなく明るい」から「意図した光」へ

照明は、住み始めてから最も「後悔しやすい」部分のひとつです。
コンセントの位置、スイッチの数、回路の設計——
あとからやり直しが効きにくいからこそ、
家づくりの段階で、しっかり意図を持って選ぶことが大切です。

CraftLifeの150工程シミュレーターを使えば、
「間接照明を入れたらいくらになるの?」という問いに
具体的な数字で答えを出すことができます。

「光を選ぶ」という小さな主体性が、
毎日の暮らしの満足度を大きく変えてくれるはずです。

ぜひ一度、あなたの理想の光を、数字にしてみてください。

(執筆者:おその)